障がい者のための障がい者による、
「働く障がい者の応援雑誌」を発行!
2022年7月13日
ShakeHands
障がい者(当事者)やご家族、支援員、そして、障害福祉を応援したいと考えるタレントの方をインタビューして、障がい者のリアルな姿を伝える雑誌「Bi WORKS」
はじめまして。私は林 友希と申します。記者様におかれましては、日々の報道活動にお骨折りいただき、一市民としても感謝しております。私は大津市内にて、障がい者就労支援の職業指導員をしており、精神・発達障害、身体障害を持つ方々に対して、デザイン技術を教えると共に、企業様から請け負った広告制作を彼らが納品できるようにサポートをしております。
今回、記者様には、報道の力を通じて私達が取り組んだ内容を多くの方に伝えて頂きたいと考え筆をとりました。私達は、1人でも多くの障害を持つ方やそのご家族に「障害があってもこんな活動ができるんだ!」と勇気を与えて、社会に一歩を踏み出せるように背中を押したいと考えています。
私達は、今年度より社会で活躍している障がい者(当事者)やご家族、支援員、そして、障害福祉を応援したいと考えるタレントの方をインタビューして、障がい者のリアルな姿を伝える雑誌「Bi WORKS」を発行しました。こちらの雑誌は、「ダイトロン福祉財団」様の資金提供により、完全無料で、できる限り多くの方の手に届くようにと3,000部印刷しました。そして、より多くの方の心に届くようにと大津市長からのコメントも頂いております。
私達は、雑誌の制作を通じて、障がい者の方々が真剣に取り組む様子や、多くの方々に関わる中で少しずつ社会参加できるように成長していく過程を見てきました。そして、協力して頂いた方達も親身になって話を聞いて下さり、私達としても益々このような活動を多くの方に知ってもらいたいという想いが沸きあがってきております。昨今では、かなりの数の障がい者が引きこもりとなり、社会に馴染めないまま両親が養えなくなる年齢まで時間が過ぎてしまうケースが増えています。ご家族の方々も、自分達の家庭の中で抱え込んでしまい、どこに相談したらいいのか、何を相談したらいいかするら分からない方が多いのです。私達としては、行政のサービスに任せるだけではなく、私達のような事業所こそがもっともっと前面に出て活動内容を伝える努力をすることで、まずは知ってもらいたいと考えています。そのことが引きこもりの方々を勇気づけて、少なくとも相談してくれるのではないかと期待しており、今後も継続して発行し続けることこそが大切だと考えています。
今回はダイトロン様の協力によりなんとか発行まで至りましたが、今後は他の企業様からも協賛を得る必要があります。これからの日本で1人でも多くの障がいを持つ方が社会に出る勇気を持てるように、そして活躍できるように、ぜひとも記者様のご協力をお願いしたいです。
お忙しいのは重々承知ですが、何卒宜しくお願い致します。
【制作までの経緯】
就労支援事業所「Shake Hands」(シェイクハンズ)は、京都府、滋賀県で広告制作・デザイン事業を主軸としている障害者の就労支援事業所です。作業内容は、ウェブサイト制作や映像制作、また、イラスト作成への就職希望者へ向けたサービスを提供しています。
今回の雑誌制作が始まったきっかけは、福祉関係者や施設利用者の方々から「障害を持つ方々が一般企業で働く姿がイメージできない」という声を頂いた事でした。さらに、「本当に働けるのだろうか?」という不安をお持ちの利用者、利用者家族が多くいることにも気がつき、そのような方々を勇気づけたいと考えたためです。「シェイクハンズの強みは一般企業に近い体制で運営していることだからこそ、福祉施設と社会との繋がりを作っていくべきだ」という想いがスタッフの中からフツフツと湧いてきました。
雑誌を製作する際には企画、取材、撮影、加工、加筆、修正、出版と多くの工程を踏むのですが、出版の際にかかる数千部もの印刷費は事業所で負担するには大きく、ダイトロン福祉財団にも賛同して頂き、助成金を元に発行することとなりました。
製作の際には、いくつもの障害福祉事業所、障害者に理解のある企業やタレント、行政、などの機関にも協力を仰ぐこととなりました。製作期間は数ヶ月かかりましたが、関係者全員がやりきったという想いでいっぱいです。そして、早速次の製作にも取り掛かろうと考えています。