ドイツ人が茶道 文化祭で茶席を催し!
2021年11月18日
観光事業部
黄檗山萬福寺にて
はじめまして。私は 沢田羽照(サワダウテ)と申します。記者さんにおかれましては、日々の報道活動にお骨折りいただき、一市民として感謝しております。
私は、生まれも育ちもドイツで、幼い頃から日本に憧れて生活してきました。2018年からは日本に移住し「もっと日本文化を知りたい」と考え、煎茶道黄檗売茶流(せんちゃどうおうばくばさりゅう)という茶道の流派に入門しました。お稽古では日々の姿勢や考え方、所作の美しさを探求することができ、私自身もお稽古を始めてからの自分の変化に驚いています。
しかし、このような素晴らしい文化がありながら、最近では入門者が少なく、茶道を含めた多くの伝統文化の承継が危ぶまれているのが現状です。さらに、追い打ちをかけるようにコロナが猛威を振るったことで対面でのお稽古が制限され、ますます厳しい状況となりました。
私たち黄檗売茶流は多くの方に茶道を伝えたいという想いがあり、茶道を通して日本人としての思想や哲学も同時に後世へと繋げたいと考えています。11月に入り、コロナワクチンの普及もあって感染者数が激減している今だからこそ、黄檗売茶流として、黄檗山萬福寺で行われる初めての煎茶会イベントを開催することになりました。場所は、宇治市の黄檗山萬福寺全体を利用して行われ、数百人の来場者が来られます。(茶道のイベントでは大規模です)多くの茶人が同時に茶席を催しますので、それぞれの違いも同時に楽しめる仕様です。
私はドイツ人だからこそ、自分にしかできないことを考えました。それは、(1)日本人と違う視点を持てる (2)当たり前のことを当たり前と思わない (3)日本人の感覚を理解した上で多言語対応ができる という点です。私が担当する茶席では、あえて視覚を制限し、お茶の香りや味、そしてその時にしか出せない空気感を楽しんでいただけるような催しにしようと思っています。コロナによってzoomやオンライン化が進み、視覚と音情報のみが強調されているからこそ、それ以外の感覚を研ぎ澄ませるように考えました。
今回の文化祭には、是非とも記者の皆様にも足を運んで頂き、私達の活動と、日本文化に携わる者の現状とこれからの将来について、1人でも多くの方に報道の力でお伝えいただきたく存じます。お忙しいとは思いますが、何卒よろしくお願い致します。